ABOUT ARTIST
平松礼二は、伝統的な日本絵画の技法や表現様式を駆使して、革新的な「日本画」の制作に挑み続ける画家です。制作開始の当初は「日本の美」の在処を求めて、韓国、中国、台湾、そして、インドや東南アジア、さらにはニューヨーク等に取材に出向き、現地の歴史や文化・芸術、そこ生きる人々の暮らしを肌で感じ取る経験を重ねてきました。
1977年よりライフワークとなる「路」シリーズの制作を開始し、日本の四季折々の自然美をはじめ、国内外の取材地の風光明媚、また東京やニューヨークのビル群をモチーフにした作品等を次々に発表していきます。1994年に個展のために訪れたパリで、オランジュリー美術館でモネの「睡蓮」と出会い、強い衝撃を受けます。それ以来、ジャポニズムの源流を求めてモネの足跡を辿り、モネと同じモチーフと向き合いながら、自分が取り組んできた日本画の魅力をいかにして世界の人々に伝えるかという課題を自らに課します。
その後、印象派の画家たちを魅了した「ジャポニズム」の研究を続けながら、日本絵画の伝統を核にした華やかで現代的な独自の画風を確立させました。2021年には「モネの作品との絶え間ない対話」が評価され、フランス政府芸術文化勲章シュヴァリエを受章します。現在、国内外の美術館での展覧会を準備も進めており、今後の活動がますます注目されるアーティストです。
平松礼二《夕映えの池─睡蓮序曲》 2011年 180×420㎝ ジヴェルニー印象派美術館蔵