ABOUT FRESCO GICLEE
フレスコ+ジクレーの技術力
「フレスコジクレー」の“ジクレー”は、19世紀のリトグラフ、20世紀のシルクスクリーンに続く、現代のアーティストのための新しい版画の技法の呼称です。フランス語で「吹き付け」を意味するジクレーの技法と従来の版画技法との大きな違いは、版を用いずにイメージを制作するところです。1980年代に開発されて以来、ジクレーの技術は試行錯誤が繰り返され、今では世界中の有名アーティストがジクレー作品を手掛けるようになりました。多くのアーティストたちが「ジクレー」を採用する理由は、その再現性の高さにあります。高精細のスキャナーでデータ化された原画のイメージは、高度な技術を要する画像処理を経て、特殊な顔料系インクジェットプリンターによって作品へと仕上げられます。版を紙に写し取るアナログ技法からデジタルを用いた最新のプリント技術により、原画の複製を超えた新しい絵画表現を実現させています。
「フレスコジクレー」の“フレスコ”は、イタリアのルネッサンス期の絵画として知られるフレスコ画に由来しています。ご存知の通り、フレスコは漆喰と石灰の化学変化を利用した壁に絵を描く技法ですが、その最大の特徴は、一度顔料が定着すると何百年に渡りその色彩を維持できることに加えて、炭酸カルシュウムの薄い皮膜が水にも強い堅牢な画面を作り出すことにあります。およそ500年前に描かれたミケランジェロの《最後の審判》やラファエロの《アテネの学堂》がそれを証明しています。
「フレスコジクレー」は、このフレスコの技法を最新技術でシート化することで、現代にフレスコを甦らせた技法です。フレスコ特有の「自然で深みのある色彩」と「長期の保存性」を実現しています。現代のアーティストに「フレスコ技法」をもたらした「漆喰シート」は、日本をはじめ欧州各国でも特許を取得しています。実験データよれば、100年以上も褪色することがないとも言われています。耐性の高いフレスコジクレーの作品は、展示場所を選びません。ご家庭のリビングはもちろん、オフィスや店舗などで、気軽に展示してお楽しみ頂けます。