ABOUT FRESCO GRAPH
ルネッサンスの芸術の結晶「FRESCO」を現代に
「FRESCO」は、 「新鮮な」を意味するイタリア語で、ミケランジェロやラファエロはじめ、14~16世紀にイタリアで花開いたルネッサンスの芸術家が用いた「新鮮な漆喰」をベースにした絵画技法です。「Fresco Graph」は、この新鮮な漆喰を最新技術でシート化(※)し、現代に「FRESCO」を復活させた世界初のアートワーク技法です。「FRESCO」ならではの「自然で深みのある画質」と「長期の保存性」を持つ作品を提供します。
※欧州各国・日本国内にて特許取得、米国、その他は出願中
システィーナ礼拝堂(バチカン市国)
1.フレスコグラフとは?
世界で初めて開発した、漆喰(しっくい)を原料に使用し、古典的なフレスコ画の技術に、最新の立体造形技術を組み合わせた「現代のフレスコ技法」が、「Fresco Graph(フレスコグラフ)」です。本技術の元である「漆喰シート」は、欧州各国や日本で特許を取得しております。
「Fresco Graph」は、以下の特徴を兼ね備えております。
- フレスコ技法が持つ保存性と耐光性により、UVカットガラスを使用しなくても、色褪せることなく長期間ご鑑賞いただけます。
- 漆喰への重ね塗り製法により、自然で深みのある色合いになっています。
- 独自に開発した技術による「マチエール」の立体構造により、より作品の存在感が増し、いつまでも飽きのこない作品としてお楽しみ頂けます。
- 日本画の「金泥」「銀泥」の表現も、再現出来ます。
2.フレスコグラフの保存性
フレスコグラフが保存性と耐光性を持つのは、漆喰の中に浸透した顔料の上に、未硬化の漆喰が空気中の二酸化炭素と反応して、石灰層を形成する為です。この石灰層がバリアーとなって、高い保存性と耐光性を発揮します。
ミケランジェロの最後の審判の様に、フレスコ画は数百年にわたり色あせる事が無く保存されているのは、
①消石灰[Ca(OH2)]の上に塗られた顔料は、未硬化の漆喰に浸透し、絵の具層を形成します。
②その後、消石灰[Ca(OH2)]は、空気中の二酸化炭素[CO2]と反応して、石灰石[CaCO3]石灰石に戻ります。
③生成される石灰石[CaCO3]よって、顔料絵の具が包含され、数百年に及ぶ保存性を発揮します。
【顔料粒子】
3.漆喰とは
漆喰は、平安時代から神社仏閣の建築材料として使用されてきた、歴史のある自然素材です。姫路城などの城郭建築などで使われ、白い漆喰壁が数百年に渡り、当時の構造体を保護し続ける非常に耐久性の高い仕上げ材の一つです。
漆喰の原材料は、鍾乳洞やカルスト台地で知られている白色の岩石で、石灰岩(CaCO3)です。石灰岩は、古代の珊瑚類が堆積して化石になったもので、自然素材です。
漆喰は、石灰岩を焼いて出来た「生石灰(CaO)」を水と反応させ、乾燥させると「消石灰(Ca(OH)2)」となります。この消石灰と水・糊などを加えて、壁などに鏝で塗り付けた物が漆喰となります。
<受賞歴>
第5回 ものづくり日本大賞受賞
「フレスコグラフ」の技術は、2013年「第5回 ものづくり日本大賞 優秀賞」*を受賞しました。
描画が困難であった古典技法である“FRESCO”をベースに漆喰による最新のシート化技術を完成させ、現代に“FRESCO”を復活させたことが高く評価され、受賞に至りました。
*経済産業省 「ものづくり日本大賞」とは?
日本の産業・文化の発展を支え、豊かな国民生活の形成に大きく貢献してきたものづくりを着実に継承し、さらに発展させていくため、製造・生産現場の中核を担っている中堅人材や、伝統的・文化的な「技」を支えてきた熟練人材、今後を担う若年人材など、ものづくりの第一線で活躍する各世代のうち、特に優秀と認められる方々を顕彰する制度です。